欲望について

2007年12月8日 日常
幸福とか不幸ってどういう状態を言うんだろうと考えた時に、結局は欲望の満たされない状態が不幸で、欲望の或る程度満たされた状態が幸福なのではないかという風に思い立ち、だとすれば欲望それ自体を喪失してしまっているようないまのぼくは不幸なのだろうか幸福なのだろうかと、電車の中でつり革につかまりながら考えていたら、目の前に座った若い女性がバッグの中から手帳を取り出して、カレンダーのページに何かを貼り始めた。

何だろう、と思ってよく見ると、彼女は9月から12月まで、手帳のカレンダーにまっかなハートマークのシールをぺたぺたと貼っているのだった。週に2つか3つ程度貼られるハートマークを見ていると、本当はどういう意味なのかわからないけれど、ぼくの妄想はどうしても直接的な方向に行ってしまって、ああ、もしぼくが、自分がいま考えているような意味で手帳にハートマークを貼るとしたら、一体どこまで遡らなければならないのだろう、と考えて少し悲しくなったが、でもよくよく思い直してみればそれほど悲しくないことに気がついた。
そうか。
ぼくは欲望を喪失したのではなくて、欲望が絞り込まれたんだ、と思った。欲しいものしか欲しくない。欲しくないものはいらない。欲しいのはハートマークの数じゃなくって、たったひとつのハートマークなんだ、って。

あと欲しいのは最近ちくま文庫から出たこの「ちくま日本文学」シリーズです。全巻揃えて本棚に置きたい。で、夜中コーヒーを飲みながらどれを読もうか悩みたい。ちなみに今夜は「尾崎翠」の気分です。買ってないけど。

あしたは関西に出張です。大阪の派手なイルミネーション、見てみたいけどそんな時間ないだろうな…。

尾崎翠 [ちくま日本文学004] (ちくま日本文学 4)ISBN:4480425047 文庫 尾崎 翠 筑摩書房 2007/11/20 ¥924

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索