っていうのがあのボクシングのあれこれをめぐるぼくの感想です。今や日本中のバッシングを一身に受けている亀田三兄弟ですが、つい何か月か前までは日本中がもてはやすヒーローだったんですよね…。なのに日本中が手のひら返してのこの嫌いようはいくらなんでも極端じゃないかなぁ、と当初からまったく興味のなかったぼくなどは思ってしまいます。いや、もちろん亀田兄弟の振る舞いはあまりにもルールを逸脱してるし許されることではないけれども、そういうことがわかっていた上でみんな応援してたんじゃないの?だってこの人たち最初からこうだったじゃん。この人たちの品性とか態度は当初から全然変わってないよ?って。でも多くの人たちがこれだけヒステリックに「アンチ亀田」と化してるのを見ると、仕事上の立場からもこの状況を分析してみたくなっていろいろ考えました。で、思い至ったのが「家族ってコワい」ってことでした。
「亀田ファミリー」は「揺るぎない父性」の上に成立した「母なき家族」で、しかも「階層化社会」の中で「排除された」側の人間だった。「排除された家族」が「絶対的な父」のもとで「自分たちを排除した社会」に復讐してゆく。その物語は「下流社会」「父の喪失」「母の王国と化した家族」という問題に直面しているこの国に、特にこの国の社会からも家庭からも「排除された」男たちに熱狂的に迎えられた。そして「理想の家族」というレッテルが(主に男たちから!)彼らに貼られ、それが彼らの「本質」を見えなくさせていった。
しかしその「かつて排除されてれた家族」は、勿論「理想の家族」などではないので、「上流」にも「中流」「下流」にも属しなおすことはなく、やがてすべてを手にしていってもその「排他性」を変えることがない。なぜなら彼らにとって「家族以外はみんな敵」で、その構図は絶対に変わらないから。そう言えば、阪神大震災のあとも、本来助け合うべき被災者の中の家族のいくつかは、避難所のいちばんいい場所に勝手にテントを立て、救援物資を占有して家族だけでテントの中に閉じこもっていたといいます。たぶん、亀田ファミリーのメンタリティもそうした「自閉した家族」と連なるものでしょう。
ということで亀田ファミリーは勝手に「理想の家族」と持ち上げられてしまったがゆえに、その醜悪な正体が明らかになるにつれ、ここまで過剰に人々に「裏切られた」という気持ちを強く抱かせてしまっているのでしょうが、実際には彼ら自身の姿勢は一貫しているわけで、彼らとしては世間の豹変振りにさぞ困惑していることでしょう。勝手に幻想を持たれ、勝手にバッシングされている家族。まあ望んでメディアに出て行ったのだから自業自得と言えなくもないですが。こんな本まで出してるし。
しかし「亀田ファミリー」は「理想の家族」なんかじゃないってみんな最初から気づいていたら、いい大人が「裏切られた!」って血管切れるくらいに怒らなくてもよかっただろうに、と思います。でもこれからもみんな求めてしまうんでしょうね、「どこかにあるはずの理想の家族」を。そしてまた別の新しい「XXファミリー」をその類型に当てはめて、そうでないことがわかった時に声高に裁くのでしょう。「おまえたちは理想の家族なんかじゃなかった!」って。「理想の家族はどこかにある」って信じるがゆえに。そろそろ認めようよ。理想の家族なんてどこにもないって。
酔ってて文章が辻褄合ってないかも。あとで直します。おやすみなさい。
闘育論―亀田流三兄弟の育て方
ISBN:4420310146 単行本(ソフトカバー) 亀田 史郎 創美社 2006/02 ¥1,260
「亀田ファミリー」は「揺るぎない父性」の上に成立した「母なき家族」で、しかも「階層化社会」の中で「排除された」側の人間だった。「排除された家族」が「絶対的な父」のもとで「自分たちを排除した社会」に復讐してゆく。その物語は「下流社会」「父の喪失」「母の王国と化した家族」という問題に直面しているこの国に、特にこの国の社会からも家庭からも「排除された」男たちに熱狂的に迎えられた。そして「理想の家族」というレッテルが(主に男たちから!)彼らに貼られ、それが彼らの「本質」を見えなくさせていった。
しかしその「かつて排除されてれた家族」は、勿論「理想の家族」などではないので、「上流」にも「中流」「下流」にも属しなおすことはなく、やがてすべてを手にしていってもその「排他性」を変えることがない。なぜなら彼らにとって「家族以外はみんな敵」で、その構図は絶対に変わらないから。そう言えば、阪神大震災のあとも、本来助け合うべき被災者の中の家族のいくつかは、避難所のいちばんいい場所に勝手にテントを立て、救援物資を占有して家族だけでテントの中に閉じこもっていたといいます。たぶん、亀田ファミリーのメンタリティもそうした「自閉した家族」と連なるものでしょう。
ということで亀田ファミリーは勝手に「理想の家族」と持ち上げられてしまったがゆえに、その醜悪な正体が明らかになるにつれ、ここまで過剰に人々に「裏切られた」という気持ちを強く抱かせてしまっているのでしょうが、実際には彼ら自身の姿勢は一貫しているわけで、彼らとしては世間の豹変振りにさぞ困惑していることでしょう。勝手に幻想を持たれ、勝手にバッシングされている家族。まあ望んでメディアに出て行ったのだから自業自得と言えなくもないですが。こんな本まで出してるし。
しかし「亀田ファミリー」は「理想の家族」なんかじゃないってみんな最初から気づいていたら、いい大人が「裏切られた!」って血管切れるくらいに怒らなくてもよかっただろうに、と思います。でもこれからもみんな求めてしまうんでしょうね、「どこかにあるはずの理想の家族」を。そしてまた別の新しい「XXファミリー」をその類型に当てはめて、そうでないことがわかった時に声高に裁くのでしょう。「おまえたちは理想の家族なんかじゃなかった!」って。「理想の家族はどこかにある」って信じるがゆえに。そろそろ認めようよ。理想の家族なんてどこにもないって。
酔ってて文章が辻褄合ってないかも。あとで直します。おやすみなさい。
闘育論―亀田流三兄弟の育て方
ISBN:4420310146 単行本(ソフトカバー) 亀田 史郎 創美社 2006/02 ¥1,260
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