と書くと「続編か!」って感じですが勿論そんなことではなく。近所の本屋でついに光文社古典新訳文庫の「カラマーゾフの兄弟1」を見つけたのでした。買おう!と思って手に取ったのですが、待てよ、今これを買うのってすごくミーハーっぽくて恥ずかしいなあ、と近くにあったちょっとエッチなサブカルまんが(「眠れる惑星」ってマンガ)を一緒に買ってミーハー色を薄めようと考え、2冊を手にレジの前で並んでいたのですが、突然電流に打たれたように
(待てよ!これはどう考えても「エッチなまんがを買いたくて、でも恥ずかしいからそれをカモフラージュするためにカラマーゾフの兄弟を買ってる人」にしか見えないんじゃ!)と思い至り、あわててえっちまんがを上にしてカラマーゾフを下にしました。どうだ!カモフラージュじゃないぞ!ってところを見せたかったのですが、よくよく考えるとぼくのこの屈折した自意識が最も恥ずかしいものであった気がします。

しかし「カラマーゾフ」、字おっきっ!かつひらがな多っ!もしかしたらこれなら私にでも読めるかも…と深田恭子ちゃんにCMで言わせても説得力がある感じです。とりあえず買って安心したのでそのうち読もうと思います。

現実的には長編を読んでる時間がないので、ウラジーミル・ソローキンの短編集「愛」を読みました。うー、猛毒。バタイユと似た読後感、というかひりひりぶりです。中でも表題作はすごくイイです。でもコレを巻頭に置いたのは、もともとの原書の構成がそうなってたからなんでしょうか。ある程度この人の世界観に触れてから読んだほうがこの作品の衝撃度は増すんじゃないかな…。猛毒ぶりっていうか。

そういえばバタイユの「目玉のはなし」も相当な猛毒ぶりでしたが、「目玉のはなし」って訳はちょっとどうなの?なんか(ベタな連想だけど)鬼太郎のお父さんが出てきそうなのどかな感じで、全然内容と合ってない気がするんですけど。旧訳の「眼球譚」の方がおどろおどろしくてよかったなぁ…。やっぱサリンジャーは野崎訳が最高だと思うし、何でもかんでも新訳にすりゃいいってモンでもないよなぁ、と考える今日この頃です。

愛 (文学の冒険シリーズ)
ISBN:4336039607 国書刊行会 1999/01 ¥2,625

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索